愛車の見た目の美しさを損なわせる原因のひとつとしてイオンデポジットがあります。イオンデポジットは、通常の洗車では落とすことが難しいこともあり、専用の除去剤の使用を検討する方もいるのではないでしょうか。そのようなイオンデポジット除去剤は危険だとも言われています。今回は、イオンデポジットと除去剤の正しい知識について解説していきましょう。
イオンデポジットの発生原因と除去方法
イオンデポジットは、水汚れであることはご存知の方も多いでしょう。まずは、実際のイオンデポジット発生のメカニズムを理解していただき、除去方法について、詳しく解説していきます。
イオンデポジットの発生原因
イオンデポジットは、水道水や雨などが蒸発したあとに、水分中に含まれていたミネラル分などの不純物が、ボディ上に白い固形状のシミとして形成されるものです。基本的に水分の蒸発によって形成されるため、車体が濡れた際は自然乾燥しないことが大切になります。
また、イオンデポジットを放置すると沈着して除去できなくなり、塗装面を陥没させるウォータースポットになる可能性もあることから定期的なメンテナンスが必要です。
イオンデポジットの除去方法
イオンデポジットは、沈着してしまうと研磨などが必要になるため、沈着する前に除去することが大切です。イオンデポジットはミネラルの汚れであるため、こびりついてしまうと通常の洗車では洗い落とせなくなります。
そのため、市販のイオンデポジット専用クリーナーを使用するようにしましょう。一度で落ちない場合でも、何度かクリーナーを使用することでほとんどの場合除去することが可能です。しかしながら、完全に塗装面に沈着してしまった場合は、市販のイオンデポジット除去剤でも落とせないため、塗装専門店などに研磨を頼む必要があります。
イオンデポジット除去剤が危険だと言われる理由と注意点
イオンデポジット除去剤は、ミネラル汚れを落とすための強い溶剤で危険性があることで知られています。実際にイオンデポジット除去剤はフッ化水素酸系のクリーナーが多く、取扱いに注意が必要です。
イオンデポジット除去剤取扱い上の危険性と注意点について解説していきましょう。
フッ化水素酸系のクリーナーの危険性
イオンデポジット除去剤は、ミネラル汚れの主成分であるケイ素を溶かして除去するため、酸性の溶剤であることがほとんどです。そのため、素肌に溶剤が付着することで、化学熱傷を起こすおそれがあります。イオンデポジット除去剤で使われることが多いフッ化水素酸は、皮膚の表面だけでなく体内組織にまで侵入する特性もあることから取扱いに注意することが必要です。
市販の除去剤の濃度が低くされているため、皮膚に接触した途端、重篤な状態になる可能性は非常に低いでしょう。しかし、皮膚に溶剤が接触したときは、速やかに洗い流す必要があります。
イオンデポジット除去剤使用上の注意
イオンデポジット除去剤の取扱い時は、使用する除去剤に記載された注意事項をしっかりと把握した上で使用するようにしましょう。また、フッ化水素酸系の除去剤を使用する際は、ゴム手袋や保護メガネを着用して、皮膚や粘膜に溶剤が付着しないように十分注意することが必要です。
除去剤を塗布した後、放置しすぎると車体の塗膜やガラスなどに悪影響を及ぼす可能性もあることから、除去剤使用後はしっかりと拭き取るようにしましょう。除去剤の使用は少なからず危険性が伴うことから、除去剤を使用しないでいいように、普段からコーティングのメンテナンスを行い、イオンデポジットができにくい環境を作ることも大切です。
イオンデポジットの予防方法
除去剤の使用をしないでいいようにするためにも、イオンデポジットが沈着する前に、こまめな洗車をすると共に、イオンデポジットが発生しにくいように普段から予防することが大切です。イオンデポジット予防のために気を付けることについて紹介しましょう。
水分は拭き取り蒸発させない
イオンデポジットの発生原因は水分の蒸発であるため、車体が濡れたりした際はできるだけ自然をさせずに乾いたタオルなどで拭きあげるようにしましょう。また、日差しが強い中での洗車やウォッシャー液の使用は水分の蒸発が早く、イオンデポジットが発生しやすいため、注意が必要です。
駐車場所の選定
車体を濡らす原因の代表的なものは雨によるものですので、できるだけ車体を濡らさないように車の駐車は屋内にすることが理想です。屋内に駐車が難しい場合でもボディカバーを使用するなどして、雨から車体を守ることが可能になります。
コーティングのメンテナンス
イオンデポジットの発生しにくい環境を作るために、車体のコーティングは綺麗に保つことが大切です。また、コーティングの種類によっては、ボディ上に水を滞留しにくくさせるコーティング方法もあります。水を弾く撥水コーティングは、一見するとイオンデポジットの予防に効果的なように見えますが、水が滞留しやすく逆効果になるため注意が必要です。
まとめ
イオンデポジットは一度沈着すると、除去するのも非常に大変です。そのため、愛車のコーティングを常に綺麗に保って、イオンデポジットができにくい環境を作ることが最もよいと言えるでしょう。
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